リアリズムと防衛を学ぶ

本の感想などを書いています。

書評

戦争の空気を感じる「紺碧の果てを見よ」須賀しのぶ

紺碧の果てを見よ posted with ヨメレバ 須賀 しのぶ 新潮社 2014-12-18 Kindle あなたは「須賀しのぶ」を知っているでしょうか。もしもうご存知ならあなたはきっと幸運な方です。まだご存知ないなら、人生の楽しみを未だ温存しているということです。 海軍…

「万里の長城を、海に ―21世紀の中国海軍」 Bernard D. Cole著

The Great Wall at Sea: China's Navy in the Twenty-First Centuryposted with amazlet at 11.01.17Bernard D. Cole Naval Inst Pr 売り上げランキング: 106200Amazon.co.jp で詳細を見る 「The Great Wall at Sea: China's Navy in the Twenty-First Centu…

なぜ中国はそんなに空母が欲しいのか?

「空母をつくってもおかしいことではない。昔は日本も持っていた」 「中国が空母をもつ日 ―江畑謙介の戦争戦略論1」 経済発展には商船隊が、商船隊には海軍が不可欠 現代での商船保護 マラッカ・ジレンマと商船保護 避け難い2つの運動 引用文献 関連記事 …

経済で戦争は防げるか――『The Costs of Conflict』

The Costs Of Conflict: The Impact On China Of A Future Warposted with amazlet at 10.12.19Univ Pr of the Pacific 売り上げランキング: 1190170Amazon.co.jp で詳細を見る 本書、「紛争の代価(THE COSTS OF CONFLICT)」は、台湾有事について主にコス…

中国海軍は何を考えているのか 建軍から未来まで

東アジアで軍拡が進んでいます。発生源は中国、特に海軍です。2010年8月4日のニューズウィーク紙は「中国海軍増強があおる東アジア軍拡」と題して、こう論じています。 東アジアは海軍増強競争の真っただ中にある。 日本は36年ぶりに海上自衛隊の潜水艦を増…

なぜ「中国の奇襲」に日本が巻き込まれるのか

本書「中国の奇襲」はアメリカの国防総省、および米中安全保障調査委員会がそれぞれ提出したレポートの翻訳です。わりと重要な本なのですが、アマゾンにレビューが一件もついていないなど、ほとんど注目されなかったようです。本書の意義は訳者があとがきで…

サムライの武器はどう変わったか? 「騎兵と歩兵の中世史」近藤良和著

騎兵と歩兵の中世史 (歴史文化ライブラリー)posted with amazlet at 10.08.06近藤 好和 吉川弘文館 売り上げランキング: 133318おすすめ度の平均: 中世武器・甲冑好きの必読書 研究者にオススメAmazon.co.jp で詳細を見る サムライ、武士の武器といえば何と…

「安全保障のポイントがよくわかる本 ―安全と脅威のメカニズム」

安全保障のポイントがよくわかる本―“安全”と“脅威”のメカニズムposted with amazlet at 10.06.28防衛大学校安全保障学研究会 亜紀書房 売り上げランキング: 46330Amazon.co.jp で詳細を見る 今日は本の紹介です。当ブログでは以前に防衛・安全保障について新…

「君主論」 ニコロ・マキアヴェッリ 

マキアヴェッリが「君主論」を書いたとき、彼の問題意識は「新しい君主はいかにあるべきか」ということでした。 当時のイタリアは「油断をすればすぐにも崩壊しかねない脆弱な政治的支配関係」ばかりの不安定な政情にありました。そのために政治的に安定した…

防衛に興味をもった方におすすめしたい3冊の名著

防衛や軍事にご興味をお持ちの方向けに入門書をいくつかご紹介したいと思います。ニュースなどで防衛に興味をもたれた方が、もう少し知りたいと思って書店に赴くと、当然ながら、良書もあれば悪書もあります。売れ筋ならいい本かといえばさにあらず。色々と…